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口腔外科・親知らず

親知らずは抜くべき?抜歯が必要なケースと抜歯後の腫れ・過ごし方

公開 約9分で読めます

監修:松田 昌浩(ローカルズ歯科クリニック 院長・歯科医師)

この記事のポイント

  • 親知らずはすべて抜く必要はなく、生え方と周りへの影響で判断します
  • 腫れや痛みを繰り返す、手前の歯が虫歯になる場合は抜歯を検討します
  • 抜歯後の腫れは2〜3日目がピークで、1週間ほどで落ち着くのが一般的な目安です
  • 抜歯当日は強いうがい・飲酒・長風呂・激しい運動を控えます
  • 数日後に痛みが強くなる場合はドライソケットの可能性があり、受診が必要です

親知らずは抜くべき?抜いたほうがよいケース・抜かなくてよいケース

親知らずは、すべて抜かなければいけないわけではありません。まっすぐ生えていて、しっかり磨けていて、周りの歯や歯ぐきに悪い影響がなければ、抜かずに様子を見ることもあります。

一方で、腫れや痛みを繰り返している場合や、手前の歯が虫歯や歯周病になっている場合は、抜歯を検討します。判断の目安を表にまとめました。

状態判断の目安理由
腫れや痛みを何度も繰り返している抜歯を検討炎症がくり返し起こりやすく、再発しやすいため
親知らず・手前の歯が虫歯になっている抜歯を検討奥にあり治療や歯みがきが難しく、手前の歯を守るため
横向き・斜めに生えて手前の歯を押している抜歯を検討手前の歯の根を傷めたり、汚れがたまったりしやすいため
一部だけ歯ぐきから出ている状態により検討歯ぐきとのすき間に汚れがたまり、炎症を起こしやすいため
まっすぐ生え、上下でしっかり噛んでいる抜かなくてよいことが多い他の歯と同じように使え、磨けていれば問題が起きにくいため
骨の中に完全に埋まり、症状も悪影響もない経過観察のことが多い抜歯の負担に比べ、残しておく問題が小さい場合があるため

まっすぐ生えている親知らずは、将来、ほかの歯を失ったときに移植やブリッジの土台として使える可能性もあります。抜くかどうかは、レントゲンやCTで生え方を確認したうえで、歯科医師と相談して決めるのが安心です。

抜歯を考えるタイミング

親知らずの抜歯は、一般に若いほうが骨がやわらかく、傷の治りも早い傾向があるとされています。また、妊娠中は使えるお薬やレントゲン撮影に制限が出ることがあります。気になる親知らずがある方は、妊娠を考えはじめた時期や、仕事や学校の予定が落ち着いている時期に一度相談しておくと安心です。

親知らずがトラブルを起こしやすいのはなぜ?

親知らずがトラブルを起こしやすい一番の理由は、一番奥にあって磨きにくく、まっすぐ生えるスペースが足りないことが多いからです。

親知らず(第三大臼歯)は、前から数えて8番目の奥歯です。10代後半から20代ごろに生えてくることが多く、人によっては生えてこない、もともと無いこともあります。現代人はあごが小さい傾向があり、親知らずが横向きや斜めに埋まったままになることがよくあります。

智歯周囲炎(ちししゅういえん)

親知らずのまわりの歯ぐきに細菌が入り、腫れや痛みが出る状態です。疲れや寝不足で体の抵抗力が落ちたときに起こりやすく、口が開けにくくなることもあります。

虫歯

親知らず自体や、手前の歯との間に汚れがたまり、虫歯になります。手前の歯の見えにくい部分が虫歯になり、気づいたときには進んでいることもあります。

歯周病・口臭

歯ぐきとのすき間に汚れがたまりやすく、歯周病や口臭の原因になることがあります。

歯並びやかみ合わせへの影響

親知らずが手前の歯を押すことで、歯並びに影響するといわれることもあります。ただし影響の程度には個人差があります。

一度腫れた親知らずは、薬で炎症がおさまっても、汚れがたまりやすい形が変わらないため、また腫れることが少なくありません。くり返す場合は、炎症が落ち着いている時期に抜歯を検討するのが一般的です。

親知らずの抜歯はどのような流れで進む?

親知らずの抜歯は、検査で生え方と神経の位置を確認し、説明を受けてから、局所麻酔をして行います。まっすぐ生えている歯なら短時間で終わることが多く、骨に埋まっている歯は歯ぐきを切開したり、歯を分割したりして取り出します。

ステップ内容
1. 問診・検査症状や持病、飲んでいるお薬を確認します。レントゲンやCTで、歯の向き・根の形・神経や血管との距離を調べます。
2. 説明・相談抜歯の方法、かかる時間の目安、腫れや痛みの見込み、起こりうるリスクについて説明を受けます。
3. 麻酔表面麻酔のあと、局所麻酔をします。麻酔が効いている間は、押される感覚はあっても、強い痛みは感じにくいとされています。
4. 抜歯歯の状態に合わせて抜きます。埋まっている場合は歯ぐきを開き、歯を分けて取り出すことがあります。
5. 止血・縫合ガーゼを噛んで血を止めます。必要に応じて傷口を縫います。
6. 術後の確認後日、傷の治り具合を確認し、縫った場合はおおむね1週間〜10日ほどで抜糸をするのが一般的です。

知っておきたいリスク

下の親知らずは、あごの骨の中を通る太い神経(下歯槽神経)の近くにあることがあります。まれに、抜歯後に唇やあごの皮膚にしびれが出ることがあるとされています。上の親知らずは、鼻の横にある空洞(上顎洞)に近いことがあります。CTで立体的に位置を確認しておくと、こうしたリスクを事前に把握しやすくなります。

神経にとても近い場合や、深く埋まっている場合などは、大学病院や総合病院の口腔外科で抜歯を行うこともあります。

親知らずの抜歯後、腫れや痛みは何日続く?

抜歯後の腫れは、一般に2〜3日目がピークで、1週間ほどで落ち着いてくるのが目安です。痛みは麻酔が切れたあと当日〜翌日が強く、その後は少しずつやわらいでいきます。

まっすぐ生えた歯を抜いた場合は、腫れがほとんど出ないこともあります。骨に埋まった歯を抜いた場合は、腫れや痛みが大きくなりやすく、内出血でほおが黄色や青っぽくなることもあります。いずれも個人差があります。

時期よくある状態(目安)過ごし方のポイント
当日麻酔が切れると痛みが出る。唾液に血がにじむ痛み止めは指示どおりに飲む。強いうがいは避ける
2〜3日目腫れが最も大きくなりやすい。口が開けにくいこともやわらかい食事にし、無理をしない
4〜7日目腫れと痛みが少しずつ引いていく傷に触れないよう、やさしく歯みがきを続ける
1〜2週間腫れはほぼ引く。縫った場合は抜糸術後の確認に通院する
1〜数か月抜いた穴が歯ぐきや骨でふさがっていく穴に食べものが入ったら、やさしく取り除く

腫れているときは、ぬらしたタオルなどで軽く冷やすと楽になることがあります。ただし、氷などで強く冷やし続けると血のめぐりが悪くなり、治りが遅れることがあるため、冷やしすぎには注意しましょう。

抜歯後はどう過ごせばいい?食事・うがい・飲酒・入浴の注意点

抜歯後は、抜いた穴にできる血のかたまり(血餅:けっぺい)を守ることが一番大切です。血餅は傷口のふたの役目をし、ここから歯ぐきや骨が治っていきます。強いうがいや、体を温めて血のめぐりを良くしすぎることは避けましょう。

当日〜数日の注意点

  • 止血:渡されたガーゼを15〜30分ほどしっかり噛みます。唾液に少し血が混じるのは、当日〜翌日にはよくあることです
  • うがい:当日は強いうがいを控え、口に水を含んで軽く吐き出す程度にします
  • 食事:麻酔が切れてから、抜いた側と反対側でやわらかいものを食べます。熱いもの・辛いもの・硬いものは控えめに
  • 飲酒:当日から2〜3日は控えます。血のめぐりが良くなり、出血や腫れが強くなることがあります
  • 入浴・運動:当日は長風呂や激しい運動を避け、シャワー程度にします
  • 喫煙:傷の治りが遅れ、ドライソケットの原因になりやすいため、できるだけ控えます
  • 歯みがき:抜いたところは避けて、ほかの歯はいつもどおり磨きます
  • 舌や指で傷口を触ったり、ストローで強く吸ったりしないようにします

抜歯後に食べやすいもの

おかゆ、うどん、豆腐、茶わん蒸し、ヨーグルト、スープなど、あまり噛まずに食べられるものがおすすめです。熱すぎるものは避け、少し冷ましてから食べましょう。栄養をとることも傷の治りには大切です。

お薬が出ている場合は、指示された飲み方を守りましょう。抗菌薬(化膿止め)は、痛みや腫れが引いても、決められた分を飲みきることが大切です。

ドライソケットとは?どう防げばいい?

ドライソケットは、抜いた穴の血のかたまりがはがれたり、うまくできなかったりして、骨がむき出しになった状態です。抜歯後2〜4日目ごろから痛みが強くなり、痛み止めが効きにくいのが特徴とされています。

下の親知らずを抜いたあとに起こりやすいといわれています。強いうがい、喫煙、傷口を触ること、ストローで吸うことなどが、血のかたまりがはがれる原因になります。

通常の経過ドライソケットが疑われる経過
痛み当日〜翌日が強く、少しずつ軽くなる2〜4日目ごろから強くなり、ズキズキ続く
穴の見た目赤黒い血のかたまりでふさがっている穴が空っぽに見える、白っぽい骨が見える
その他腫れも日ごとに引いていく口臭やいやな味が続くことがある

ドライソケットになった場合は、歯科医院で傷口を洗浄し、薬をつめるなどの処置をします。自分でうがいを強くしても良くならないため、痛みが強くなってきたら早めに抜歯をした歯科医院に連絡しましょう。

親知らずで歯科を受診する目安は?

親知らずのあたりが腫れる・痛む・口が開けにくいといった症状があれば、早めの受診をおすすめします。症状がなくても、親知らずが斜めに生えている、手前の歯との間に食べものがよく詰まるといった場合は、一度生え方を確認しておくと安心です。

受診の目安:親知らずのまわりの歯ぐきが腫れている・痛む/口が開けにくい、飲み込むと痛む/親知らずや手前の歯がしみる、食べものがよく詰まる/抜歯後2〜4日たっても痛みが強くなる一方/抜歯後、出血がガーゼを噛んでも止まらない/抜歯後に発熱や、ほおの腫れがどんどん広がる。顔の腫れが大きい、高い熱があるなどの場合は、できるだけ早く受診してください。

ローカルズ歯科クリニックでは、歯科用CTやデジタルレントゲンで親知らずの向きや神経との位置関係を確認し、抜歯が必要かどうかをご説明しています。麻酔は表面麻酔や電動麻酔器を使い、負担を抑えられるよう配慮しています。神経に近いなど難しい症例では、連携する病院の口腔外科をご紹介する場合があります。詳しくは歯科口腔外科・親知らずのページをご覧ください。

まとめ

親知らずは、すべて抜く必要はありません。まっすぐ生えていて磨けていれば残せることもあり、腫れや痛みを繰り返す場合や、手前の歯に悪い影響がある場合に抜歯を検討します。抜歯後の腫れは2〜3日目がピークで、1週間ほどで落ち着くのが一般的な目安です。当日は強いうがい・飲酒・長風呂を避け、血のかたまりを守ることが大切です。

親知らずのことで気になることがあれば、上大岡駅東口から徒歩30秒のローカルズ歯科クリニックにご相談ください。初診・急患は随時受け付けています(電話 045-350-7372)。

よくあるご質問

Q親知らずは必ず抜かないといけませんか?
A

必ず抜く必要はありません。まっすぐ生えていて、しっかり磨けていて、周りに悪い影響がなければ残すこともあります。腫れや痛みを繰り返す場合や、手前の歯が虫歯になっている場合は抜歯を検討します。

Q親知らずを抜いたあと、腫れは何日くらい続きますか?
A

一般に2〜3日目が腫れのピークで、1週間ほどで落ち着いてくるのが目安です。骨に埋まった歯を抜いた場合は腫れが大きく、長引くこともあります。個人差があります。

Q親知らずの抜歯は痛いですか?
A

抜歯は局所麻酔をして行うため、抜歯中は押される感覚はあっても、強い痛みは感じにくいとされています。麻酔が切れたあとは痛みが出ることがあるため、処方された痛み止めを指示どおりに飲みましょう。

Q抜歯した日にお酒を飲んだりお風呂に入ったりしてもいいですか?
A

当日から2〜3日は飲酒を控え、当日は長風呂を避けてシャワー程度にしましょう。血のめぐりが良くなると、出血や腫れが強くなることがあります。

Qドライソケットになったらどうすればいいですか?
A

抜歯後2〜4日ごろから痛みが強くなる場合は、ドライソケットの可能性があります。自然に治るのを待つより、抜歯をした歯科医院に連絡して、傷口の洗浄などの処置を受けましょう。

Q親知らずの抜歯は保険が使えますか?
A

親知らずの抜歯は、一般に保険診療の対象です。ローカルズ歯科クリニックでは各種保険を取り扱っています。

気になる症状は、お気軽にご相談ください

上大岡駅東口から徒歩30秒。初診・急患も随時受け付けています。

月〜土 9:00〜13:00/14:30〜18:00(日曜・祝日休診)

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