COLUMNコラム

虫歯・一般歯科

歯がしみるのは知覚過敏?虫歯との見分け方と、しみるときの対策

公開 約9分で読めます

監修:松田 昌浩(ローカルズ歯科クリニック 院長・歯科医師)

この記事のポイント

  • 知覚過敏は、歯の内側の象牙質がむき出しになり、刺激が神経に伝わって起こります
  • しみる痛みが数秒で消えるなら知覚過敏、長く続くなら虫歯などの可能性があります
  • 歯ぐきが下がる、強すぎる歯みがき、歯ぎしりなどが主な原因です
  • 知覚過敏用の歯みがき剤と、やさしい磨き方で、症状の軽減が期待できます
  • しみる状態が2週間以上続く、ズキズキ痛む場合は、歯科で原因を確かめましょう

歯がしみる「知覚過敏」とは?なぜ起こる?

知覚過敏(正式には象牙質知覚過敏症)とは、虫歯などがないのに、冷たいもの・風・歯ブラシなどの刺激で、歯が一時的に「キーン」としみる状態です。歯の表面を守っているエナメル質や歯ぐきが失われ、内側の象牙質(ぞうげしつ)がむき出しになることで起こります。

象牙質には、神経のある歯の中心部までつながる、ごく細い管(象牙細管:ぞうげさいかん)がたくさん通っています。ふだんはエナメル質や歯ぐきに覆われていますが、象牙質が出てしまうと、冷たさや甘み、こすれなどの刺激が管の中の液体を動かし、それが神経に伝わって痛みとして感じられると考えられています。

秋から冬にしみやすくなるのはなぜ?

気温が下がる季節は、外の冷たい空気を吸ったときや、温かい飲みものと冷たいものを交互に口にしたときなど、歯が温度差にさらされる場面が増えます。そのため、夏には気にならなかった人でも、秋から冬にかけて「しみる」と感じることがあります。

知覚過敏が起こりやすい場所

知覚過敏は、歯と歯ぐきの境目によく起こります。この部分はエナメル質がもともと薄く、歯ぐきが下がると、根の部分(エナメル質に覆われていない部分)がすぐに出てしまうためです。鏡で見て、歯の根元が少しくぼんでいたり、色が黄色っぽく変わっていたりする場合は、象牙質が出ている可能性があります。

知覚過敏と虫歯は、どう見分ける?

目安はしみる痛みが続く時間です。知覚過敏は刺激がなくなると数秒〜十秒ほどで痛みが引くことが多く、虫歯や神経の炎症では、刺激がなくなってもしばらく痛みが続いたり、何もしなくてもズキズキしたりします。ただし自己判断は難しく、両方が同時に起きていることもあります。

項目知覚過敏虫歯歯の割れ・ひび
しみ方冷たいもの・風・歯ブラシで一瞬「キーン」冷たいもの・甘いものでしみる。進むと温かいものでも痛む噛んだときや、特定の方向に力がかかったときに痛む
痛みの長さ刺激がなくなると数秒〜十秒ほどで引くことが多い長く続く。何もしなくても痛むことがある噛むたびに鋭く痛む
見た目歯の根元が出ている、くぼんでいる黒・茶色の部分、穴、白くにごった部分見た目では分からないことが多い
場所複数の歯にまたがることが多い特定の1本のことが多い特定の1本のことが多い
対応セルフケアや歯科でのコーティングなど歯科での虫歯治療が必要歯科で診断し、状態に合わせて処置

このほかにも、歯周病で歯ぐきが下がった部分がしみる、詰め物の下で虫歯が進んでいる、治療したばかりの歯が一時的にしみる、といったケースもあります。原因によって対処が大きく変わるため、しみる状態が続くときは歯科で確かめることが大切です。

こんな痛みは知覚過敏ではないかもしれません

  • 何もしていないのに、ズキズキと脈打つように痛む
  • 温かいものでしみる、または痛む
  • 夜、痛みで目が覚める
  • 噛むと痛い、歯が浮いたような感じがする
  • 歯ぐきが腫れている、膿が出る

上のような症状は、虫歯が神経の近くまで進んでいる、神経に炎症が起きている、根の先に膿がたまっているなどのサインである可能性があります。早めに受診しましょう。

知覚過敏の主な原因は?

知覚過敏の主な原因は、歯ぐきが下がって根が出ることと、エナメル質がすり減ったり欠けたりすることの2つです。その背景には、毎日の歯みがきのくせや、歯ぎしり、食生活などがあります。

原因しみるまでの流れ
強すぎる歯みがき・硬い歯ブラシ歯ぐきが下がったり、根元のエナメル質や象牙質がすり減ったりする
歯周病歯を支える骨や歯ぐきが下がり、根の部分が出てくる
歯ぎしり・食いしばり強い力で歯の根元にひびや欠け(くさび状欠損)ができ、象牙質が出る
酸の多い飲食炭酸飲料や柑橘類、酢などを頻繁にとると、歯の表面が溶けやすくなる(酸蝕歯)
加齢年齢とともに歯ぐきが少しずつ下がり、根が出やすくなる
歯科治療の後歯石を取った後、詰め物をした後、ホワイトニングの後などに、一時的にしみることがある

歯石を取った後にしみるのはなぜ?

歯石がついていた部分は、取り除くと根の表面が直接お口の中に出るため、一時的にしみやすくなることがあります。多くは歯ぐきの炎症が落ち着くにつれて、数日〜数週間ほどで和らいでいくとされています。しみるのを避けて磨かずにいると、歯周病や虫歯の原因になるため、やさしく磨き続けることが大切です。

ホワイトニングの後にしみるのはなぜ?

ホワイトニングの薬剤の影響で、一時的にしみることがあると知られています。多くは一時的なものとされていますが、もともと知覚過敏がある方はしみやすいことがあるため、事前に歯科医師に伝えておきましょう。

歯がしみるとき、自分でできる対策は?

軽い知覚過敏であれば、知覚過敏用の歯みがき剤を使い、やさしい力で磨くことで、しみる感じが和らぐことが期待できます。効果の出方には個人差があり、数週間ほど続けてようやく変化を感じることも多いため、すぐにやめずに続けてみましょう。

知覚過敏用の歯みがき剤を使う

硝酸カリウムや乳酸アルミニウムなどの成分が入ったものは、刺激が神経に伝わりにくくなるよう働くとされています。毎日続けて使うのがポイントです。

歯ブラシは「やわらかめ」で軽い力

鉛筆を持つように軽く握り、小刻みに動かします。歯と歯ぐきの境目を、ゴシゴシ横に強くこするのは避けましょう。

すすぎは少なめに

歯みがき剤の成分をお口に残すため、すすぎは少量の水で1〜2回程度にするのがよいとされています。

酸っぱいもの・炭酸のとり方を工夫する

だらだら飲み続けず、食事と一緒にとる、飲んだ後は水を飲むなどの工夫を。直後の強い歯みがきは避けましょう。

しみるときに避けたいこと

  • しみるからといって、その部分を磨かないこと(プラークがたまり、かえって悪化しやすくなります)
  • 研磨剤の多い歯みがき剤で、強くゴシゴシ磨くこと
  • 冷たいものを無理に我慢して噛む・飲むこと
  • 市販の痛み止めで様子を見続け、受診を先延ばしにすること

正しい磨き方のポイント

  • 歯ブラシの毛先を、歯と歯ぐきの境目に45度くらいの角度で当てる
  • 1〜2本ずつ、5mmほどの幅で小刻みに動かす
  • 毛先が広がるほど力を入れない(毛先が開いた歯ブラシは交換の目安)
  • 歯と歯の間は、フロスや歯間ブラシでやさしく汚れを取る
  • しみる部分は、ぬるま湯で口をすすぐと磨きやすくなることがある

歯ブラシの毛先が1ヶ月ほどで大きく広がってしまう場合は、力が強すぎるサインといわれています。電動歯ブラシを使っている方も、歯に強く押し当てすぎないよう注意しましょう。

歯ぎしりや食いしばりに心当たりがある方は、日中に上下の歯が触れていないか意識してみてください。本来、何もしていないときの上下の歯は、少し離れているのが自然とされています。夜間の歯ぎしりは自分では気づきにくいため、家族に指摘されたことがある場合は、歯科で相談するとよいでしょう。

歯科では、どんな処置をする?

歯科では、まず虫歯や歯の割れ、歯周病などほかの原因がないかを確認し、知覚過敏であれば、しみる部分を薬やコーティングで保護する処置を行うのが一般的です。症状の強さや原因に合わせて、いくつかの方法を組み合わせます。

処置内容向いているケース
知覚過敏抑制剤の塗布しみる部分に薬を塗り、象牙質の細い管をふさぐ軽度〜中等度のしみ
コーティング・詰め物すり減ったり欠けたりした根元を、樹脂(レジン)などで覆うくさび状欠損など、根元がくぼんでいる場合
フッ素塗布歯の表面を強くし、虫歯予防とあわせてしみる症状の軽減も期待される予防も兼ねたいとき
マウスピース(ナイトガード)寝ている間の歯ぎしり・食いしばりから歯を守る歯ぎしり・食いしばりが原因と考えられる場合
歯周病の治療歯ぐきの炎症を抑え、歯ぐきが下がるのを防ぐ歯周病がある場合
神経の処置ほかの方法でおさまらない強い痛みが続く場合に検討されるごく一部の重いケース

塗り薬やコーティングは、1回でしみる感じが和らぐこともあれば、何回か繰り返すことで落ち着いていくこともあります。また、処置をしても原因(強い歯みがき、歯ぎしりなど)が残っていると、再びしみることがあります。処置とあわせて、原因を取り除くことが大切です。

神経をとる処置は、歯がもろくなるなどの影響もあるため、一般には最後の手段とされています。まずはできるだけ歯の神経を残す方法から検討するのが基本です。

受診するときに伝えるとよいこと

  • どの歯がしみるか(だいたいの場所でかまいません)
  • 何でしみるか(冷たいもの、温かいもの、甘いもの、風、歯ブラシなど)
  • しみる痛みがどのくらい続くか(一瞬か、しばらく続くか)
  • いつごろからか、だんだん強くなっているか
  • 最近受けた歯科治療(歯石取り、詰め物、ホワイトニングなど)
  • 歯ぎしりや食いしばりを指摘されたことがあるか

こうした情報は、知覚過敏なのか、虫歯や歯の割れなのかを見分ける手がかりになります。メモにして持っていくと、診察の時間を有効に使えます。

しみる歯で、歯科を受診する目安は?

しみる状態が2週間以上続く場合や、しみる強さがだんだん増している場合は、歯科を受診しましょう。ズキズキ痛む、温かいものでも痛む、噛むと痛いといった場合は、期間に関係なく早めの受診をおすすめします。

受診の目安:知覚過敏用の歯みがき剤を2週間ほど使っても変わらない/しみる強さや範囲が広がってきた/何もしなくても痛む、夜に痛む/温かいものでも痛む/噛むと痛い、歯が欠けた・割れた気がする/歯ぐきが腫れている、膿が出る。冷たいものが一瞬しみる程度でも、気になる場合は早めに相談すると原因が分かり安心です。

知覚過敏は、虫歯や歯周病と見分けにくい症状です。また、知覚過敏だと思っていたら、実は詰め物の下で虫歯が進んでいた、ということもあります。定期検診のときに「最近しみる」と伝えるだけでも、早めの対処につながります。

ローカルズ歯科クリニックでは、お口の状態を確認し、必要に応じてデジタルレントゲンで虫歯や根の状態を調べたうえで、原因に合わせた処置をご提案しています。歯科衛生士によるクリーニング(PMTC)やフッ素塗布、基本3ヶ月ごとの定期検診で、しみにくいお口の状態を保つお手伝いもしています。詳しくは一般歯科、予防歯科のページをご覧ください。

まとめ

冷たいものや風で歯が一瞬「キーン」としみる原因の多くは、象牙質がむき出しになって起こる知覚過敏です。強すぎる歯みがき、歯周病、歯ぎしり、酸の多い飲食などが主な原因で、知覚過敏用の歯みがき剤とやさしい磨き方で症状の軽減が期待できます。ただし、虫歯や歯の割れでも似た症状が出るため、痛みが長く続く、2週間以上しみる状態が変わらないといった場合は、早めに歯科で原因を確かめましょう。

歯がしみる症状が気になる方は、上大岡駅東口から徒歩30秒のローカルズ歯科クリニックにご相談ください(電話 045-350-7372)。月〜土曜日に診療しており、急患も随時受け付けています。

よくあるご質問

Q知覚過敏は自然に治りますか?
A

軽い知覚過敏は、象牙質の表面が自然にふさがるなどして、しみる感じが和らぐことがあります。ただし原因が続いていると再びしみることがあり、虫歯との見分けも難しいため、長引く場合は歯科で確認しましょう。

Q知覚過敏用の歯みがき剤は、どのくらいで効きますか?
A

個人差がありますが、毎日使い続けて数週間ほどで変化を感じる方が多いとされています。2週間ほど使っても変わらない場合は、ほかの原因も考えられるため受診をおすすめします。

Q歯がしみるのは虫歯ですか、知覚過敏ですか?
A

しみる痛みが数秒で消えるなら知覚過敏、長く続いたり何もしなくても痛んだりするなら虫歯などの可能性があります。ただし自己判断は難しいため、気になる場合は歯科で確かめましょう。

Q歯石を取ったら歯がしみるようになりました。大丈夫ですか?
A

歯石があった部分の根の表面が出るため、一時的にしみることがあります。多くは歯ぐきの炎症が落ち着くにつれて和らいでいくとされていますが、長引く場合は歯科にご相談ください。

Q知覚過敏の治療は保険が使えますか?
A

知覚過敏抑制剤の塗布やコーティングなどの基本的な処置は、一般に保険診療の対象です。ローカルズ歯科クリニックでは各種保険を取り扱っています。

Q歯ぎしりでも歯がしみるようになりますか?
A

歯ぎしりや食いしばりで歯の根元に強い力がかかると、くさび状にすり減ったり欠けたりして、しみやすくなることがあります。寝ている間の歯ぎしりには、マウスピースで歯を守る方法があります。

気になる症状は、お気軽にご相談ください

上大岡駅東口から徒歩30秒。初診・急患も随時受け付けています。

月〜土 9:00〜13:00/14:30〜18:00(日曜・祝日休診)

関連する診療: 一般歯科(虫歯治療) 予防歯科

電話する WEB予約