歯ぐきから血が出る原因と、歯周病のセルフチェック・対策


この記事のポイント
- 歯ぐきからの出血の原因で最も多いのは、プラークによる歯肉炎・歯周病です
- 痛みがなくても、出血は歯ぐきに炎症が起きているサインです
- 出血を怖がって磨かないと、かえって炎症が悪化しやすくなります
- 歯ぐきだけの炎症(歯肉炎)なら、ケアで改善が期待できます
- 1〜2週間ていねいに磨いても出血が続くなら、歯科で検査を受けましょう
歯ぐきから血が出る原因は?
歯ぐきから血が出る原因で最も多いのは、歯と歯ぐきの境目にたまったプラーク(歯垢:細菌のかたまり)による炎症、つまり歯肉炎や歯周病です。炎症を起こした歯ぐきは血管が広がってもろくなり、歯ブラシが当たるだけで出血しやすくなります。
ほかにも、磨き方のくせ、ホルモンバランスの変化、全身の病気、飲んでいるお薬などが関係することがあります。主な原因を表にまとめました。
| 原因 | 特徴 | 主な対応 |
|---|---|---|
| 歯肉炎・歯周病 | 最も多い原因。歯みがきやフロスのときに出血しやすい。痛みがないことも多い | ていねいなセルフケアと、歯科での歯石除去 |
| 磨き方が強すぎる・硬い歯ブラシ | 歯ぐきが傷ついて出血する。歯ぐきが下がる原因にも | やわらかめの歯ブラシで、軽い力で磨く |
| ホルモンの変化 | 妊娠中や思春期、更年期などは歯ぐきが腫れやすく出血しやすいとされる | いつも以上にていねいなケアと、定期的なチェック |
| 糖尿病などの全身の病気 | 糖尿病があると歯周病が進みやすいとされる。血液の病気で出血しやすくなることもある | 内科での治療と、歯科での歯周病治療を並行する |
| 血液をサラサラにするお薬など | 抗血小板薬・抗凝固薬を飲んでいると、出血が止まりにくいことがある | 自己判断でやめず、歯科・主治医に相談する |
| 合わない詰めもの・かぶせもの | 段差に汚れがたまり、その部分の歯ぐきだけ炎症が起きる | 歯科で適合を確認し、必要に応じて調整・作り直し |
| 喫煙 | 血管が縮むため出血が目立ちにくく、歯周病の発見が遅れやすいとされる | 禁煙と定期的な検査 |
血液の病気などで出血する場合は、歯ぐきだけでなく、あざができやすい、鼻血が止まりにくいなど、体のほかの場所にも症状が出ることがあります。気になる症状があれば、内科にも相談しましょう。
妊娠中の歯ぐきの出血
妊娠中は女性ホルモンの影響で、歯ぐきに炎症が起きやすくなるといわれています(妊娠性歯肉炎)。つわりで歯みがきがしにくい時期も重なります。体調の良いときに、小さめの歯ブラシでこまめに磨くのがポイントです。妊娠中の方はマタニティ歯科のページもご覧ください。
歯肉炎と歯周病はどう違う?進行段階は?
歯肉炎は炎症が歯ぐきだけにとどまっている段階、歯周病(歯周炎)は炎症が奥へ進み、歯を支える骨まで溶けはじめた段階です。歯肉炎はケアで改善が期待できますが、歯周炎で失われた骨を元に戻すことは難しいとされています。
歯と歯ぐきの境目には、もともと浅い溝があります。炎症が続くとこの溝が深くなり、「歯周ポケット」と呼ばれるすき間になります。ポケットが深いほど細菌がすみつきやすく、歯ブラシも届かなくなるため、炎症がさらに進むという悪循環が起こります。
| 段階 | 歯ぐき・歯の状態 | 歯周ポケットの深さ(一般的な目安) |
|---|---|---|
| 健康な歯ぐき | うすいピンク色で引きしまっている。磨いても出血しない | 1〜2mm程度 |
| 歯肉炎 | 赤く腫れ、磨くと出血する。骨はまだ溶けていない | 2〜3mm程度 |
| 軽度歯周炎 | 出血に加え、歯ぐきが少しむずがゆい。骨が溶けはじめる | 3〜5mm程度 |
| 中等度歯周炎 | 歯ぐきが下がる、口臭が出る、歯が少しぐらつくことがある | 4〜7mm程度 |
| 重度歯周炎 | 膿が出る、歯が大きくぐらつく。歯を残すことが難しくなる場合も | 6mm以上 |
歯周病は、かなり進行するまで強い痛みが出にくいのが特徴です。「痛くないから大丈夫」ではなく、出血の段階で手を打つことが、歯を守るうえで大切です。
歯周病かどうか、自分でチェックするには?
次の項目に当てはまるものが多いほど、歯周病が始まっている、または進んでいる可能性があります。1つでも当てはまれば歯ぐきに炎症があるサインと考え、3つ以上なら一度歯科で検査を受けることをおすすめします。
歯周病セルフチェック
- 歯みがきやフロスのときに、歯ぐきから血が出る
- 歯ぐきが赤い、または赤紫色っぽく腫れている
- 朝起きたとき、口の中がネバネバする
- 口臭を指摘された、自分でも気になる
- 歯ぐきがむずがゆい、浮いたような感じがする
- 歯ぐきが下がって、歯が長くなったように見える
- 歯と歯の間にすき間ができ、食べものが詰まりやすくなった
- 冷たいものが歯の根元にしみる
- 歯ぐきを押すと膿のようなものが出る
- 歯がぐらつく、硬いものが噛みにくい
セルフチェックはあくまで目安です。歯周病は見た目だけでは進み具合がわかりにくく、症状が軽く見えても骨が溶けていることがあります。正確な状態は、歯周ポケットの検査やレントゲンで確認します。
歯周病が進みやすい人
- 喫煙している
- 糖尿病がある、または血糖値が高めといわれている
- 歯ぎしりや食いしばりがある
- 歯並びが重なっていて磨きにくい
- 強いストレスや睡眠不足が続いている
- 歯科での定期検診をしばらく受けていない
歯ぐきから血が出るとき、自分でできる対策は?
出血しても、歯みがきはやめずに、やさしく、ていねいに続けることが一番の対策です。出血を怖がって磨かないと、プラークがたまって炎症が悪化しやすくなります。歯肉炎の段階であれば、正しいケアを1〜2週間ほど続けると、出血が減ってくることが多いとされています。
歯ブラシは「やわらかめ〜ふつう」で軽い力
鉛筆を持つように軽く握り、歯と歯ぐきの境目に毛先を当てて、小刻みに動かします。ゴシゴシ強くこすると歯ぐきを傷めます。
歯と歯の間はフロス・歯間ブラシで
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れは落としきれないといわれています。すき間の大きさに合ったものを選び、毎日1回は使いましょう。
磨く時間を決めて、1本ずつ
特に夜寝る前は時間をかけて磨きます。鏡を見ながら、磨き残しやすい奥歯の裏側や歯並びの重なった部分を意識します。
生活習慣を整える
禁煙、十分な睡眠、バランスのよい食事は、歯ぐきの抵抗力を保つうえでも大切です。糖尿病のある方は、血糖のコントロールも歯ぐきに関係します。
歯ぐきの出血が気になりはじめたら、まずは1〜2週間、上のポイントを意識して磨いてみましょう。出血の量や回数が減っていけば、ケアが合っているサインと考えられます。反対に、ていねいに磨いても出血が変わらない場合は、歯ブラシの届かないところに歯石がついている可能性があります。
気をつけたいこと
- 洗口液(マウスウォッシュ)は補助です。歯みがきの代わりにはなりません
- 歯石は歯みがきでは取れません。一度ついた歯石は歯科で取り除く必要があります
- 出血がなくなっても、歯周ポケットの奥に炎症が残っていることがあります
- 血液をサラサラにするお薬は、出血が気になっても自己判断で中断しないでください
歯科ではどんな検査・治療をする?
歯科では、まず検査で歯周病の進み具合を確認し、歯みがき指導と歯石除去を中心に、炎症の原因を取り除く治療を行います。治療の後も、良い状態を保つための定期的なメンテナンスを続けます。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 検査 | 歯周ポケットの深さ、出血の有無、歯のぐらつきを調べます。レントゲンで骨の状態を確認します。 |
| 2. 歯みがき指導 | 歯ぐきの状態に合わせて、歯ブラシやフロス・歯間ブラシの使い方を確認します。 |
| 3. スケーリング | 歯の表面や歯ぐきの縁についた歯石を取り除きます。 |
| 4. スケーリング・ルートプレーニング | 歯周ポケットの奥の歯石や汚れを取り除き、根の表面をなめらかにします。数回に分けて行うことがあります。 |
| 5. 再評価 | もう一度検査をして、改善の具合を確認します。 |
| 6. メンテナンス | 定期的に検査とクリーニングを行い、再発を防ぎます。 |
歯石除去は、歯ぐきの炎症が強いと出血やしみる感じが出ることがあります。炎症が落ち着くにつれて出血は減っていくことが多いため、途中でやめずに続けることが大切です。痛みが心配な方は、事前に歯科医師や歯科衛生士に伝えておくと、進め方を相談しやすくなります。
歯周病は、治療で落ち着いても再発しやすい病気です。そのため、治療後も定期的に歯科でチェックとクリーニングを受けることがすすめられています。進行の程度によって通院回数は変わり、軽い歯肉炎であれば数回で落ち着くこともあります。
歯周病と全身の健康
歯周病は、糖尿病や心臓・血管の病気、妊娠中の早産・低体重児出産などとの関連が指摘されています。歯ぐきの出血をそのままにしないことは、お口だけでなく全身の健康を守ることにもつながると考えられています。
歯ぐきの出血で歯科を受診する目安は?
ていねいに磨いても1〜2週間以上出血が続く場合は、歯科を受診しましょう。腫れや膿、歯のぐらつきがある場合は、期間に関係なく早めの受診をおすすめします。
受診の目安:ていねいに磨いても1〜2週間以上出血が続く/歯ぐきが腫れている、膿が出る、押すと痛い/口臭やネバつきが続く/歯がぐらつく、歯ぐきが下がってきた/しばらく歯科検診を受けていない。歯ぐき以外にもあざができやすい、鼻血が止まりにくい、強いだるさがあるなど、体のほかの場所にも気になる症状がある場合は、内科の受診もご検討ください。
ローカルズ歯科クリニックでは、歯周ポケットの検査やデジタルレントゲンで歯ぐきと骨の状態を確認し、進み具合に合わせて治療をご提案しています。歯科衛生士によるクリーニング(PMTC)や、基本3ヶ月ごとの定期検診で、治療後の良い状態を保つお手伝いもしています。詳しくは歯周病治療、予防歯科のページをご覧ください。
まとめ
歯ぐきから血が出る原因の多くは、プラークによる歯肉炎や歯周病です。痛みがなくても、出血は歯ぐきに炎症があるサインです。出血を怖がらずに、やわらかめの歯ブラシとフロス・歯間ブラシでていねいに磨くことが基本の対策です。1〜2週間続けても出血がおさまらない場合や、腫れ・膿・ぐらつきがある場合は、早めに検査を受けましょう。
歯ぐきの出血や歯周病が気になる方は、上大岡駅東口から徒歩30秒のローカルズ歯科クリニックにご相談ください(電話 045-350-7372)。
よくあるご質問
Q歯ぐきから血が出るのは歯周病ですか?
多くの場合、歯肉炎や歯周病による炎症が原因です。痛みがなくても進んでいることがあるため、出血が続く場合は一度検査を受けることをおすすめします。
Q歯ぐきから血が出るときは、歯みがきを休んだほうがいいですか?
休まずに、やさしく磨き続けてください。磨かないとプラークがたまり、炎症が悪化しやすくなります。やわらかめの歯ブラシを使い、軽い力で磨きましょう。
Q歯肉炎は自分で治せますか?
歯ぐきだけの炎症であれば、ていねいなセルフケアで改善が期待できます。ただし、歯石は歯みがきでは取れないため、歯科でのクリーニングもあわせて受けるのがおすすめです。
Q歯周病で溶けた骨は元に戻りますか?
一度失われた骨を元どおりに戻すことは、一般に難しいとされています。治療とメンテナンスで、それ以上進まないように食い止めることをめざします。
Q妊娠中に歯ぐきから血が出るのはなぜですか?
妊娠中はホルモンの影響で、歯ぐきに炎症が起きやすくなるといわれています。体調の良いときにこまめに磨き、気になる場合は歯科にご相談ください。
Q歯周病の検査や治療は保険が使えますか?
歯周病の検査や歯石除去などの基本的な治療は、一般に保険診療の対象です。ローカルズ歯科クリニックでは各種保険を取り扱っています。
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