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インプラント・入れ歯

インプラントは医療費控除の対象?いくら戻るかの計算方法と申告の手順

公開 約9分で読めます

監修:松田 昌浩(ローカルズ歯科クリニック 院長・歯科医師)

この記事のポイント

  • 治療を目的としたインプラントの費用は、医療費控除の対象になります
  • 戻る金額の目安は「控除額×所得税率×1.021」と「控除額×10%」(住民税)の合計です
  • 家族の医療費はまとめて申告でき、一般に所得税率の高い人が申告すると有利です
  • 年をまたぐ治療は支払った年ごと、デンタルローンは契約した年の医療費になります
  • 会社員も年末調整では受けられないため、確定申告(還付申告)が必要です

インプラントの費用は医療費控除の対象になる?

治療を目的としたインプラントの費用は、医療費控除の対象になります。医療費控除は、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が一定額を超えたときに、確定申告をすることで所得税の一部が戻り、翌年度の住民税も軽くなる制度です。

国税庁は、歯科医師による治療の費用のうち、病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分を医療費控除の対象としています。インプラントは保険が使えない自由診療のため、1年間の医療費が10万円を超えることが多く、医療費控除を受けられる可能性が高い治療です。

インプラント治療で対象になる費用

  • 検査・CT撮影・診断の費用
  • インプラントを埋める手術の費用
  • 人工の歯(上部構造)を作って取り付ける費用
  • 治療のために処方された痛み止めや抗生物質などの薬代
  • 通院のための電車・バスの運賃

対象にならない費用

  • デンタルローンの金利や分割手数料
  • 自家用車で通院したときのガソリン代・駐車場代
  • 見た目をよくすることだけを目的とした治療の費用
  • 保険金や給付金で補てんされた部分

セラミックやジルコニアの人工の歯も対象?

インプラントの上に取り付ける人工の歯には、セラミックやジルコニアなどの材料が使われます。国税庁は、金やポーセレン(セラミック)を使った治療について、現在の歯科治療では一般的に使われている材料であるとして、医療費控除の対象になると説明しています。かむ機能を取り戻すための治療であれば、材料が自費のものでも対象になると考えてよいでしょう。

一方で、治療の必要がない歯を、見た目をよくするためだけに被せ物にする場合などは、容姿を美化するための費用として対象外になります。

同じ年に受けた虫歯や歯周病の治療、入れ歯やブリッジ、ご家族の通院費用なども、まとめて医療費控除の対象として合計できます。

医療費控除でいくら戻る?計算方法と金額の例

戻る金額は、「医療費控除額×所得税率×1.021」(所得税の還付)と「医療費控除額×10%」(翌年度の住民税の軽減)の合計が目安です。まず医療費控除額を計算し、そこに税率をかけて求めます。

ステップ1:医療費控除額を計算する

医療費控除額は「1年間に支払った医療費 − 保険金などで補てんされる金額 − 10万円」で計算します。総所得金額等が200万円未満の方は、10万円のかわりに総所得金額等の5%を差し引きます。控除額の上限は200万円です。

ステップ2:税率をかける

所得税率は、課税される所得金額によって5%〜45%の7段階に分かれています。源泉徴収票や前年の確定申告書で「課税される所得金額」を確認しましょう。住民税は一律10%として計算します。

課税される所得金額所得税率控除額10万円あたりの戻る目安
195万円未満5%約15,100円
195万〜330万円未満10%約20,200円
330万〜695万円未満20%約30,400円
695万〜900万円未満23%約33,500円
900万〜1,800万円未満33%約43,700円

「控除額10万円あたりの戻る目安」は、所得税(税率×1.021)と住民税(10%)を合わせた金額です。たとえば年間の医療費が60万円で、所得税率が20%の方なら、控除額は50万円です。所得税の還付は約102,100円、住民税の軽減は50,000円で、合計約15万円が目安になります。

住民税の軽減はいつ、どのように受けられる?

住民税は、確定申告の内容が市区町村に伝わり、翌年度(6月ごろから)の住民税が少なくなるしくみです。所得税のように口座へ振り込まれるわけではありません。会社員の方は、毎月の給与から天引きされる住民税の額が下がります。

ご自身の金額は、インプラントのページの還付金シミュレーターで、医療費と所得を入力して計算できます。

家族の医療費をまとめると、誰が申告するのがお得?

生計を一にする家族の医療費は、まとめて1人が申告できます。一般に、所得税率の高い人が申告すると戻る金額が大きくなります。「生計を一にする」とは、同じ財布で生活していることをいい、別居していても仕送りをしている親や学生の子どもなどが含まれます。

  • 同居している配偶者・子ども・親の医療費
  • 仕送りをしている、離れて暮らす学生の子どもの医療費
  • 生活費を負担している、別居の親の医療費

医療費控除の対象になるのは、その人のために実際に医療費を支払った人です。たとえば親のインプラント費用を子どもが支払った場合、生計を一にしていれば、支払った子どもの医療費として申告できます。

申告する人で、戻る金額はどれくらい変わる?

家族の医療費の合計が60万円(控除額50万円)の場合で比べてみます。

申告する人内訳合計の目安
所得税率20%の人所得税の還付 約102,100円
住民税の軽減 50,000円
約152,100円
所得税率5%の人所得税の還付 約25,500円
住民税の軽減 50,000円
約75,500円

同じ医療費でも、申告する人によって戻る金額が7万円以上変わることがあります。ただし、総所得金額等が200万円未満の方は差し引く金額が10万円より小さくなるため、控除額そのものは大きくなります。迷うときは、両方のパターンで計算して比べましょう。

共働きのご夫婦がそれぞれ申告する場合も、1人分の医療費は、どちらか一方にまとめて申告します。同じ医療費を2人で重ねて申告することはできません。

治療が年をまたぐときや、デンタルローンで払ったときは?

医療費控除は「実際に支払った年」で計算します。インプラント治療は数ヶ月かかることが多いため、治療期間が年をまたぐこともあります。その場合は、それぞれの年に支払った金額ごとに計算し、年ごとに申告します。

支払いが2年に分かれると、控除額が小さくなることも

毎年「10万円」が差し引かれるため、同じ金額でも支払いが2年に分かれると、控除額の合計が小さくなることがあります。

支払い方医療費控除額戻る金額の目安(所得税率20%の方)
1年で80万円を支払った70万円約212,900円
2年に40万円ずつ支払った30万円+30万円=60万円約182,500円

ほかの医療費がある年とまとめられる場合など、状況によって変わります。治療の進み方と支払いの時期は、事前に歯科医院へ確認しておくと安心です。

デンタルローンで支払った場合

デンタルローンやクレジットで支払い、信販会社が治療費を立て替えた場合は、ローン契約を結んだ年の医療費になります。たとえば12月にローン契約をして治療費を立て替え払いした場合、返済が翌年以降も続いていても、契約した年の医療費として申告します。ローンの金利や手数料は対象外です。歯科医院の領収書がない場合は、ローンの契約書などを保管しておきましょう。

医療費控除の申告方法と必要な書類

医療費控除は、ご自身で確定申告(還付申告)をして受けます。会社員の方も、年末調整では医療費控除を受けられません。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使うと、画面の案内に沿って入力するだけで、控除額や還付額が自動で計算されます。

用意するもの

  • 1年分の医療費の領収書(歯科医院・病院・薬局)
  • 通院交通費のメモ(日付・区間・金額)
  • デンタルローンを使った場合は、ローンの契約書など
  • 源泉徴収票(会社員の方)
  • 還付金を受け取る口座の情報
  • マイナンバーカード(e-Taxで申告する場合)

申告の手順

手順やること
1. 領収書を整理する家族ごと・医療機関ごとに分けて合計します
2. 医療費控除の明細書を作る健康保険組合などから届く医療費通知も使えます。自由診療の費用は医療費通知に載らないため、明細書に記入します
3. 確定申告書を作る確定申告書等作成コーナーで入力すると、計算は自動で行われます
4. 提出するe-Tax、郵送、税務署への持参のいずれかで提出します
5. 還付を受ける所得税は指定した口座に振り込まれます。住民税は翌年度の税額が軽くなります

還付申告は、医療費を支払った年の翌年1月1日から5年間提出できます。確定申告の期間(例年2月中旬〜3月中旬)より前に提出することもできます。

スマートフォンからも申告できる

マイナンバーカードがあれば、スマートフォンからe-Taxで申告できます。マイナポータルと連携すると、健康保険の医療費通知の情報を自動で取り込めるため、保険診療の分は入力の手間が減ります。インプラントなどの自由診療の費用は自動では取り込まれないため、領収書を見ながら追加で入力しましょう。

還付金が振り込まれるまでの期間は、e-Taxで申告した場合は3週間程度、書面で提出した場合は1か月から1か月半程度が目安とされています。

医療費控除でよくある間違いと注意点

医療費控除は、ちょっとした勘違いで控除を受けそびれたり、申告をやり直すことになったりすることがあります。次の点に気をつけましょう。

  • 保険金を差し引き忘れる:医療保険の給付金などを受け取った場合は、その治療の医療費から差し引きます
  • ふるさと納税のワンストップ特例が使えなくなる:確定申告をすると特例は使えなくなるため、確定申告書に寄附金控除もあわせて記入します
  • セルフメディケーション税制と両方使う:通常の医療費控除と、市販薬のセルフメディケーション税制は、どちらか一方しか選べません
  • 領収書を捨ててしまう:申告書には添付しませんが、提示を求められることがあるため、5年間は保管しておきましょう
  • 高額療養費制度が使えると思い込む:高額療養費制度は保険診療のための制度で、自由診療のインプラントには使えません
  • まだ支払っていない分を入れてしまう:その年に実際に支払った金額だけが対象です。翌年に支払う予定の治療費は、支払った年の医療費になります
  • タクシー代をすべて入れてしまう:通院のタクシー代は、電車やバスが使えない場合など、やむを得ないときに限って対象になります

医療費控除の対象になるかどうかの最終的な判断は、税務署が行います。迷う場合は、お住まいの地域の税務署や、国税庁のタックスアンサー「医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」で確認しましょう。

まとめ

治療を目的としたインプラントの費用は医療費控除の対象で、所得税の還付と翌年度の住民税の軽減を受けられます。家族の医療費をまとめる、税率の高い人が申告する、支払った年やデンタルローンの扱いを知っておく、といったポイントを押さえると、受けられる控除を取りこぼしにくくなります。

ローカルズ歯科クリニックでは、歯科用CTで診査し、問題なく治療できると判断した場合にのみインプラント治療を行っています。費用は精密検査のあとにお見積りをお伝えします。上大岡駅周辺でインプラントをご検討の方は、上大岡のインプラント治療のページもご覧ください。

よくあるご質問

Qインプラントの費用は医療費控除の対象になりますか?
A

治療を目的としたインプラントの費用は、医療費控除の対象になります。検査や手術、人工の歯の費用、処方された薬代、通院の電車・バス代も含められます。デンタルローンの金利や、自家用車のガソリン代・駐車場代は対象外です。

Qインプラントの医療費控除で、いくら戻ってきますか?
A

「医療費控除額×所得税率×1.021」と「医療費控除額×10%」(翌年度の住民税の軽減)の合計が目安です。年間の医療費が60万円で所得税率20%の方なら、控除額50万円で、合計約15万円が目安になります。

Q医療費控除はいつまで申告できますか?
A

還付申告は、医療費を支払った年の翌年1月1日から5年間提出できます。申告し忘れた年があっても、5年以内であればさかのぼって申告できます。

Q夫婦のどちらが医療費控除を申告するのがよいですか?
A

一般に、所得税率の高い方が申告すると戻る金額が大きくなります。ただし、総所得金額等が200万円未満の方は差し引く金額が小さくなるため、両方で計算して比べるのがおすすめです。

Qデンタルローンで払った治療費は、いつの医療費になりますか?
A

信販会社が立て替えて支払った場合は、ローン契約を結んだ年の医療費になります。返済が翌年以降に続いても、契約した年にまとめて申告します。金利や手数料は対象外です。

Q医療費控除の申告に、領収書の提出は必要ですか?
A

領収書の提出は不要で、領収書をもとに作った「医療費控除の明細書」を確定申告書に添付します。ただし、税務署から提示を求められることがあるため、領収書は5年間保管しておきましょう。

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