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妊娠中の歯医者はいつまで受けられる?時期別の目安とレントゲン・麻酔の考え方

公開 約9分で読めます

監修:松田 昌浩(ローカルズ歯科クリニック 院長・歯科医師)

この記事のポイント

  • 歯科治療は安定期(妊娠中期・16〜27週頃)が受けやすい時期の目安です
  • 痛みや腫れがあれば、初期・後期でも応急処置を受けられます
  • 歯科のレントゲンや通常量の局所麻酔は、影響はごく小さいとされています
  • 妊娠中はホルモンの変化やつわりで、歯ぐきの炎症や虫歯が起きやすくなります
  • 受診時は妊娠中であることと週数を伝え、母子健康手帳を持参しましょう

妊娠中の歯科治療はいつ受けられる?

妊娠中の歯科治療は、体調が落ち着きやすい妊娠中期(16〜27週頃、いわゆる安定期)が受けやすい時期の目安です。ただし、痛みや腫れがあるときは、妊娠初期や後期でも応急処置を受けることができます。「妊娠中だから歯医者に行けない」ということはありません。

時期(目安)体の様子歯科での対応の目安
妊娠初期(〜15週頃)つわりが出やすく、体調が変わりやすい検診や痛みへの応急処置が中心。本格的な治療は安定期まで待つことが多い
妊娠中期(16〜27週頃)体調が安定しやすい時期検診・クリーニング・虫歯や歯周病の治療など、多くの治療を受けやすい
妊娠後期(28週頃〜)お腹が大きくなり、あおむけがつらくなる体勢に配慮しながら、応急処置やクリーニングを中心に

「いつまで通えるか」は、体調や妊娠経過によって一人ひとり異なります。一般には、出産が近づくほど長時間の治療は難しくなるため、治療が必要なところは安定期のうちに済ませておくと安心です。妊娠後期でも、短時間の検診やクリーニングであれば受けられることが多いので、体調と相談しながら受診しましょう。

妊娠初期に気をつけたいこと

妊娠初期は、赤ちゃんの体の大切な器官がつくられる時期です。急ぎでない治療は安定期に回し、この時期は痛みを抑えるための処置やお口のチェックにとどめるのが一般的です。つわりで歯みがきがつらい時期でもあるので、ケアの方法を相談しておくのもよいでしょう。

妊娠後期に気をつけたいこと

妊娠後期は、あおむけの姿勢を続けると、大きくなった子宮が血管を圧迫して気分が悪くなること(仰臥位低血圧症候群)があります。診療台の背もたれの角度を調整したり、途中で休憩をとったりしながら進めます。気分が悪くなったら、すぐに伝えてください。

レントゲン・麻酔・薬は赤ちゃんに影響しない?

歯科のレントゲンや、通常の歯科治療で使う量の局所麻酔は、赤ちゃんへの影響はごく小さいと一般に考えられています。薬についても、必要な場合は妊娠中でも使われることの多い薬を選び、必要に応じて産婦人科の先生と相談します。

レントゲン

歯科のレントゲンは、撮影する範囲がお口のまわりに限られ、お腹から離れています。撮影時には防護エプロンを使うのが一般的で、お腹の赤ちゃんへの影響はほとんどないとされています。デジタルレントゲンは、従来のフィルムを使う方法より被ばく量が少ないのも特徴です。

それでも不安な場合は、無理に撮影する必要はありません。診断に必要な場合は、理由を説明したうえで、撮影するかどうかをご本人と相談して決めます。

麻酔

歯科で使う麻酔は、治療する歯のまわりだけに効く局所麻酔です。通常の歯科治療で使う量であれば、赤ちゃんへの影響はほとんどないとされています。むしろ、痛みを我慢しながら治療を受けることのほうが、体と心の負担になることがあります。

痛み止め・抗生物質などの薬

妊娠中は、できるだけ薬を使わずに済むように治療を進めるのが基本です。どうしても必要な場合は、産婦人科の先生と相談のうえ、妊娠中でも使われることの多い薬を選びます。市販薬やご自宅にある薬を自己判断で飲むのは避け、必ず歯科医師や産婦人科の先生に相談してください。

項目一般的な考え方受診時にできること
レントゲン撮影範囲が限られ、防護エプロンを使用。影響はごく小さいとされる不安なら撮影しない選択も。必要性を聞いてから決める
局所麻酔通常の歯科治療の量であれば、影響はほとんどないとされる痛みを我慢しすぎず、麻酔について相談する
薬できるだけ使わないのが基本。必要時は妊娠中でも使われることの多い薬を選ぶ産婦人科で受けている注意点を伝える。自己判断で飲まない

妊娠中に起きやすいお口のトラブルは?

妊娠中は、妊娠性歯肉炎・虫歯・妊娠性エプーリスなどのトラブルが起きやすくなります。女性ホルモンの増加、つわりによる歯みがき不足、食事回数の増加、唾液の変化などが重なるためです。

妊娠性歯肉炎

女性ホルモンの影響で歯ぐきが炎症を起こしやすくなり、赤く腫れたり、歯みがきのときに出血したりします。妊娠初期から中期にかけて起こりやすく、歯ぐきのケアで改善が期待できます。

虫歯

つわりで歯みがきが不十分になったり、少しずつ何度も食べる「ちょこちょこ食べ」が増えたりすると、お口の中が酸性に傾く時間が長くなり、虫歯ができやすくなります。

妊娠性エプーリス

歯ぐきにできる、こぶのような良性のふくらみです。出血しやすいことがありますが、出産後に小さくなることが多いとされています。食事や歯みがきのじゃまになる場合は歯科医師に相談しましょう。

歯周病の悪化

もともと歯周病がある方は、妊娠中に症状が強くなることがあります。歯ぐきの腫れや出血が続く場合は、早めの受診がおすすめです。

妊娠中の歯ぐきの出血は「よくあること」と見過ごされがちですが、歯周病のサインのこともあります。気になる症状があれば、安定期を待たずに一度相談してください。

つわりで歯みがきがつらいときはどうする?

つわりで歯みがきがつらいときは、「完璧に磨く」より「できる範囲で汚れを減らす」ことを目標にしましょう。体調のよい時間に磨く、小さめの歯ブラシに変えるなど、少しの工夫で負担を減らせます。

  • ヘッドの小さい歯ブラシを使い、顔を少し下に向けて磨くと、えずきにくくなります
  • 歯みがき剤のにおいや味がつらいときは、香りの弱いものにするか、使わずに磨くだけでもかまいません
  • 朝より体調が落ち着きやすい時間帯など、磨きやすいタイミングに磨きましょう
  • 歯ブラシが難しいときは、水やぶくぶくうがいだけでもお口の汚れを減らせます
  • 吐いたあとは、すぐに強く磨かず、まず水でうがいをして酸を洗い流しましょう
  • 食べたあとに磨けないときは、水やお茶を飲むだけでもお口の中をさっぱりさせられます

つわり中の食べ方の工夫

つわりの時期は、空腹で気分が悪くなるため、少しずつ何度も食べる方が多くなります。食べる回数が増えると、お口の中が酸性に傾いている時間が長くなり、虫歯ができやすくなります。食べたあとに水を飲む、甘い飲み物を水やお茶に替えるなど、できることから取り入れてみましょう。キシリトール入りのガムやタブレットを、体調に合わせて取り入れるのもひとつの方法です。

つわりが落ち着いたら、歯ぐきの状態を一度歯科医院でチェックしてもらうと安心です。歯科衛生士によるクリーニングで、磨き残しの汚れや歯石を取り除くことができます。

歯周病は早産・低体重児出産と関係がある?

歯周病は、早産や低体重児出産との関連が指摘されています。歯周病による炎症が全身に影響し、出産のタイミングに関わる可能性があると考えられているためです。

歯周病は、歯ぐきの炎症が進んで、歯を支える骨まで溶けていく病気です。痛みなどの自覚症状が出にくく、気づかないうちに進んでいることがあります。妊娠中はホルモンの影響で歯ぐきの炎症が起きやすいため、ふだん以上に歯ぐきのケアが大切です。

  • 歯みがきのときに出血する
  • 歯ぐきが赤く腫れている、むずがゆい
  • 口臭やお口のネバつきが気になる
  • 歯ぐきが下がった、歯が長く見える

こうした症状がある場合は、歯周病の検査とクリーニングを受けることをおすすめします。歯周病と出産との関係は研究が続いている分野ですが、お口の炎症を減らしておくことは、ご自身の体の健康のためにも役立ちます。歯周病については歯周病治療のページもご覧ください。

出産前に済ませておきたいことは?

出産前には、安定期のうちに歯科検診を受け、必要な治療とクリーニングを済ませておくのがおすすめです。出産後は赤ちゃんのお世話で、しばらく自分の歯医者に通う時間がとりにくくなるためです。

  • 虫歯のチェックと、必要な虫歯の治療
  • 歯石の除去と、歯ぐきのクリーニング
  • 親知らずのまわりの腫れなど、痛みが出そうなところの相談
  • ご自身に合った歯みがき・フロスの方法の確認
  • 生まれてくる赤ちゃんの歯のケアについての相談

安定期は、お腹がまだそれほど大きくなく、診療台に座っている時間も比較的つらくない時期です。治療に何回か通う必要がある場合は、安定期の早めの時期から始めると、出産までに余裕をもって終えやすくなります。里帰り出産を予定している方は、帰省の時期も考えて計画を立てましょう。

大人のお口の中の虫歯菌が、食器の共有などを通して子どもにうつることがあるともいわれています。神経質になりすぎる必要はありませんが、保護者自身のお口を清潔に保つことは、赤ちゃんの虫歯予防にもつながります。

受診するときは何を伝えればいい?

受診するときは、妊娠中であることと妊娠週数を、予約の時点と受付で伝え、母子健康手帳を持参しましょう。母子健康手帳には、妊娠中の歯の健康状態を記録するページがあり、経過を確認するのにも役立ちます。

伝えること理由
妊娠中であること・妊娠週数時期に合わせて、治療の内容や進め方を決めるため
産婦人科で受けている注意点安静の指示や、妊娠経過で気をつけることを把握するため
服用中の薬・サプリメント歯科で薬を出す必要があるときの判断に使うため
つわりや体調の様子診療時間や体勢、休憩のタイミングを調整するため
レントゲンや麻酔についての希望不安な点を事前に相談し、納得したうえで進めるため

強い痛み、歯ぐきの大きな腫れ、発熱をともなう腫れがある場合は、妊娠の時期にかかわらず早めに受診してください。また、お腹の張りや出血など妊娠に関わる症状があるときは、歯科の予約よりも産婦人科への連絡を優先しましょう。

上大岡駅 東口から徒歩30秒のローカルズ歯科クリニックでは、マタニティ歯科として妊娠中の方の検診・治療に対応しています。女性ドクターが在籍しており、デジタルレントゲンを使用していますが、ご希望がなければレントゲンを無理に撮影することはありません。麻酔の際は表面麻酔や電動麻酔器を用いて、負担を抑えるよう配慮しています。

まとめ

妊娠中の歯科治療は、安定期(妊娠中期・16〜27週頃)が受けやすい時期の目安です。初期や後期でも、痛みや腫れがあれば応急処置を受けられます。歯科のレントゲンや通常量の局所麻酔は影響がごく小さいとされ、薬は産婦人科の先生と相談しながら選びます。妊娠中は歯ぐきの炎症や虫歯が起きやすいため、出産前に一度検診とクリーニングを受けておくと安心です。

ローカルズ歯科クリニックは、月〜土 9:00〜13:00/14:30〜18:00(日曜・祝日休診)に診療しています。妊娠中のお口のことで気になることがあれば、お電話(045-350-7372)でお気軽にご相談ください。

よくあるご質問

Q妊娠中、歯医者にはいつまで通えますか?
A

体調や妊娠経過によって異なりますが、治療は安定期(16〜27週頃)に済ませるのが目安です。妊娠後期でも、短時間の検診やクリーニング、応急処置であれば受けられることが多いので、体調と相談しながら受診してください。

Q妊娠初期に歯が痛くなったら、受診してもいいですか?
A

はい、受診して大丈夫です。妊娠初期は痛みを抑えるための応急処置を中心に行い、本格的な治療は安定期まで待つことが一般的です。受診時に妊娠中であることと週数を必ずお伝えください。

Q妊娠中に歯科のレントゲンを撮っても大丈夫ですか?
A

歯科のレントゲンは撮影範囲がお口のまわりに限られ、防護エプロンも使うため、赤ちゃんへの影響はごく小さいとされています。それでも不安な場合は、無理に撮影せず、必要性を相談したうえで決めることができます。

Q妊娠中に歯科の麻酔を使っても大丈夫ですか?
A

歯科で使う局所麻酔は、通常の治療で使う量であれば、赤ちゃんへの影響はほとんどないとされています。痛みを我慢することが負担になる場合もあるため、不安な点は事前に歯科医師にご相談ください。

Q妊娠してから歯ぐきから血が出るようになりました。大丈夫ですか?
A

妊娠中はホルモンの影響で歯ぐきが炎症を起こしやすく、妊娠性歯肉炎による出血がよく見られます。歯周病のサインのこともあるため、一度歯科医院でチェックとクリーニングを受けることをおすすめします。

Q授乳中でも歯科治療は受けられますか?
A

授乳中でも歯科治療は受けられます。薬を使う場合は授乳への影響を考えて選ぶため、受診時に授乳中であることをお伝えください。

気になる症状は、お気軽にご相談ください

上大岡駅東口から徒歩30秒。初診・急患も随時受け付けています。

月〜土 9:00〜13:00/14:30〜18:00(日曜・祝日休診)

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